記事タイトルは単行本の帯から拝借しました。
ワールドトリガー 第14巻の感想です。
以下
ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
ワールドトリガー 14(ジャンプコミックス)今巻は次のB級ランク戦に向けての修行編が主な内容。
手探り状態ながらも先輩ボーダーからの助言を頼りに勝利への活路を見出していく各々の姿が描かれる。他チームと比べて今の玉狛第2に圧倒的に足りないのは
「経験」。その差を埋めるために持てる「手段」を増やすのは間違ってない。問題となるのは今回手に入れた新たな武器をいかに実戦に活かせるかというところか。己の弱点とシビアに向き合い改善していこうとする姿勢は好感が持てるし、応援したくなるので頑張ってほしい。
また修たちがB級ランク戦に向けての準備を着実に整えていく一方で、裏ではボーダー精鋭部隊と新たな近界の敵
ガロプラが交戦開始。
主人公チームが不在なので大規模侵攻編ほどの脅威や盛り上がりは感じないが、迅さんの予知やヒュースの動向、敵の新トリガーなど様々な要素が複雑に絡み合ってきており、一筋縄ではいかない戦闘になりそうなので楽しみ。
ボーダー精鋭部隊ということで、未だに実力の底を見せていないと思われる二宮隊に戦闘スタイルが明かされていない加古隊、さらには未登場のA級4位草壁隊やA級8位の片桐隊なども本格参戦してきそうな雰囲気で、そちらの方面にも大きな期待がかかる。
では、以下個人的に気になったキャラや勢力をピックアップして書いていきます。
■三雲修B級上位戦の敗北で嫌というほど現実を突きつけられた主人公だったが、今回の木虎のレクチャーにより「スパイダー」という新たな武器を入手して一歩前進。
これは自分がベイルアウトした後でも味方のサポートとして有効に機能する上に
相手に直接当てる必要がないため修の持ち味である慎重さと柔軟性を欠く恐れもないというまさに願ったり叶ったりのトリガーだが、それを実戦に活かせるかどうかは修の手腕次第といったところか。
しかし、自分から積極的に点を取りに行けないという弱点を克服する術は依然見えてこないまま...まあそれはまた追々直面する問題なのかな。
■雨取千佳ユズル君のレクチャーにより鉛弾を入手。これまた味方のサポートのためのトリガーといった感じだが、千佳にしか扱えない武器ということで初見の相手は面を食らうことになりそうだ。これを機に少しずつ人が撃てない弱点を克服していければいいなと思う。
■絵馬ユズル今巻の表紙を飾った人物。当然のことながら本編での出番もあり、ライバルであるはずの千佳の訓練に好意的に付き合ってくれるなどの親切な一面が多く見られた。
千佳に鉛弾を教えたのはかつての自分の師匠だった鳩原さんのように潰れてほしくないから。関係的にも鳩原さんの裏事情を色々と知っていそうな雰囲気だがはたして...。
■木虎藍憎まれ口を叩きながらもなんだかんだで修の訓練に付き合ってくれる優しい人。修にだけやけに辛辣なのはトリオン量が少ないせいで苦労していたかつての自分と今の修を重ねて見ていたから。誰かと重ねて見てしまい放っておけずに助言するというのはユズル君と通ずる部分だね。こういう一見似て非なる者でも少しずつ共通点が見えてくるのがこの作品の面白いところ。
■迅悠一前回の修からの提案をきっぱり拒否。たしかに風間さんの言うように修の指揮で動く迅さんも面白そうだけれど、話的にはつまらなくなりそうなので断ってくれて良かった良かった。
しかし、玉狛第2入隊の迅さん以上の適任者とは一体誰なのだろうか。他にめぼしい人物も見当たらないので捻らずにヒュースでくると思うんだが、作中でも指摘されているように近界民の捕虜を正式に部隊に入れる方法が思いつかない。今回のガロプラ戦で手柄を立てさせて本部に認めさせる算段なんだろうか。それでも厳しいような気がするが...。
■太刀川慶迅さんのサイドエフェクトによりぶった斬られる可能性が出てきてしまったA級1位アタッカー。ただ、この人の場合は怖気付くというよりはむしろ嬉々として予知を覆そうとするタイプだと思うので、予知をうまく逆手に取って活躍してくれることに期待したい。
■加古望ファントムばばあ。遊真を自分の隊に入るよう勧誘するも綺麗に断られる。部隊のメンバーの頭文字を「K」で統一しているのは単純にこの人の趣味なのかなw
今回のガロプラ戦ではまだ描写されていないこの人の戦闘スタイルも見られそうなので楽しみ。
■天羽月彦ガロプラ戦にはサポート役として参加。秘められたサイドエフェクトの片鱗が明かされたが、ブラックトリガーとしての実力が見られるのはまだ当分先の話になりそうだ。「対象を色で識別できる」というのは今回のような防衛戦でこそ真価を発揮する能力だと思った。モニター越しで機能するのも中々に便利。
■ヒュース大規模侵攻編で置き去りにされた理由が明かされたり玉狛第2に入隊するフラグが立ったりで忙しい人。上層部の権力闘争のゴタゴタに巻き込まれた結果の置き去りだと思うとなんだか可哀想になってくる。
近界に帰るためにガロプラとの接触を図るもそれすらも迅さんの掌の上だったみたいな展開が来そう。
玉狛第2入隊フラグは陽太郎がキーになりそうな予感。
■ガロプラ今回の新たな敵。あくまでも玄界の「足止め」が主目的らしいので大規模侵攻編ほどのガチ戦闘はないだろうが、新型トリガーを用意していたりトリオン兵に化けて基地に侵入する技術を持っていたりと手数が多く一筋縄ではいかない相手になりそうな感じ。
新型トリガーは近界版ベイルアウトが有力かな。今のところ敵の撤退手段がわからないし、向こうが玄界と同等もしくはそれ以上の技術を有していても何の違和感もないしね。
太刀川さんをぶった斬るとしたらあのリーダーっぽい男性だろうか...まあ太刀川さんが素直に斬られてくれるとも思えないが。
■その他・作者コメント「データブックとの同時発売はなかなかにハードでした...。併せて読んで頂くとより面白い感じになると思います。」
・カバー袖キャラは仁礼光ちゃん。(影浦隊オペレーター)
・カバー裏は奥寺、コアラ、摩子さん、ひゃみさん、仁礼光ちゃん、エネドラットの6人。
個人的にひゃみさんが熱烈な烏丸ファンだったのがものすごく意外だったw
緊張癖を持つ引っ込み思案な女子だったが、鳩原さんに「鳥丸くん相手にくらべたら、他の人は緊張しないでしょ」と言われて2秒であがり症を克服したというめちゃくちゃ可愛い女子だったのも意外だった...というか木虎のライバル多すぎだろwwちなAカップ。
・おまけは二宮隊、三輪隊、風間隊の作戦室。
二宮隊の作戦室の説明が全力で読者を笑わせにきてるw
この空間で二宮がジンジャエール飲んでるんだからもう手に負えないとか二宮が掃除してるところに出くわすと気まずくて面白いとか葦原先生は二宮さんを一体どういうキャラにしたいんだよw
しかし部屋の隅に鳩原さんの私物が入ったダンボールを置いたままにしているあたり二宮隊の闇は深い...。心の内では鳩原さんの復帰を望んでるんだろうか。
・三輪さんの迅さん&太刀川さんと東さんに対する態度が全く違ってて笑った。これが信頼の差か...。
・さりげなく荒船さんの犬嫌いの設定を本編に反映させているのが上手いと思った。
・次のランク戦の解説役は出水とトッキー。ボケとツッコミがはっきりしてていいな。
感想は以上です。それでは。
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