2015年冬アニメの感想です。
今回は「SHIROBAKO」、「四月は君の嘘」の2作品です。 どちらも秋からスタートしている作品ですが、別に冬アニメに区分しても問題ないよね、ということで感想を書いていこうと思います。
■『SHIROBAKO』
P.A.WORKS×水島努監督によるアニメ業界の日常と奮闘を描いたオリジナル群像劇アニメ。
以前
この記事で「アニメ制作の現場をみて視聴者がどこまで楽しめるか分からない」と書きましたが、とんだ杞憂でしたね(笑)水島監督らしい手堅くも遊び心のある、いい意味で視聴者を飽きさせない作品に仕上がっていました。
全体的にリアルさとコメディ要素の配分が絶妙で、ただの業界ものという訳じゃなく群像劇として登場人物の成長ストーリーがしっかりと描かれていたのが良かったなと。現在進行形で働いている人、夢を追い続けている人は何かしらキャラに共感できる部分があったんじゃないかと思う。
特に主人公の宮森は将来何をするべきか、どうあるべきなのかで悩み、奮闘している描写が多くあったので等身大のキャラとして感情移入しやすかったんじゃないかな。
毎話のように新キャラが登場していたような印象がありますが、本当に限られた尺の中でよくもあれだけのキャラを印象強く動かすことができたなと思いますね。タローと平岡は序盤こそ視聴者のヘイト担当だったものの、最後にはちゃんと魅力的なキャラになってくれていたので良かったです。
タロー自体は何も変わってないような気もするけどwただ、CGの子と新人制作進行の2人はもう少しキャラを掘り下げても良かったかも。
ツイッターなどで聞いた話によると現実のアニメ制作現場はムサニよりもはるかに凄惨なものらしく、実際にアニメ関係の仕事に携わっている方から見れば「いやいや、それはねーよ」とツッコミたくなるようなファンタジーな世界だったのかもしれませんが、この作品を通して伝えたかった事は「多くの人にアニメを作ることの面白さ、喜びを知ってもらいたい」というものだったと思うので、あれぐらいの描写でちょうど良かったのかなと思います。下手にリアル過ぎても視聴者が困惑するだけだろうしね(笑)バッティングセンターやエンゼル体操などのコメディ要素がいい感じにリアルな部分を和らげていたように思いました。
あと、作中の絵に説得力を持たせるために、P.A.は作画が崩れることが許されない状況にあったと思いますが、その要求にしっかりと応え、毎話クオリティの高い作画を提供していたのが見事だったなと。作中で難しいと言われていたことにあえて挑戦していたのも好印象。これまで質の高いアニメを多く作ってきたP.A.WORKSだからこそ出来た、という感じですね。
ということで、業界人の反応も含めて毎週安定して楽しめた作品でした。スタッフ、キャストの皆様、本当にお疲れ様でした!もう劇場版SHIROBAKOでオリジナル劇場アニメを作る話をやっちゃえばいいと思います。絶対に観にいくので!(笑)
■『四月は君の嘘』
原作既読の状態で視聴しましたが、想像以上に素晴らしかったです。
原作に非常に忠実でありながらもアニメならではの演出が随所で光っていて、原作読者が見ても十分に楽しめるような内容になっていたと思います。
特に音が聴こえなくなるときに意識が海の底に沈んでいく演出がいい感じに演奏シーンの臨場感を醸し出していて、その演出に対して最終話では成長した公生が空の果てで演奏する、というのが秀逸な対比になっていたかなと。
また、この作品の肝である演奏シーンも見応えがありました。ピアノ伴奏の細やかな指の動き、躍動感のあるヴァイオリン演奏、どれもアニメでしか表現できないことだと思いました。
やはり音楽を題材にした作品に実際に音が入ると違いますね。音が途中で変わるのとかどーすんだろと思っていましたが確かに違って聴こえましたし。
最終話の展開は賛否両論ありそうですが、個人的には切なくも儚さの残る良いラストだったと思いました。詳しい内容については原作漫画の最終巻の感想記事で書くつもりです。大まかな流れは同じみたいですが演出が色々違うそうなので、楽しみにしておこうと思います。
原作と示し合わせて綺麗に纏まった最終話。原作を尊重しつつもアニメならではの演出が光る、まさに理想的なアニメ化でした。スタッフ、キャストの皆様、本当にお疲れ様でした!
感想は以上です。それでは。
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